history

 

黒板の歴史

黒板の原点はホーンブックだと言われています。
16世紀に欧州で子供たちの学習に用いられた用具で、字を
書いた紙を板に貼りそれを透明な薄板で覆ったものでした。

アメリカには1810年代にフランスから伝わり普及しました。
黒板の機能に目をつけたのはウエストポイント陸軍士官学校で
軍事工学を教えるクローゼ教授でした。
黒板を使った教育方法は効果をあげ評判になりました。

teacher 日本には明治の初めにアメリカ経由で持ち込まれました。
大学南校(現在の東京大学)の教師であったアメリカ人の
スコットが、当時のアメリカで実践されていた学校教育の
システムを伝授するため、教科書や教育機器を取り寄せた中に
黒板・チョークがありました。
当時では横1.5m×縦0.9m程度のスタンド型のものでした。

大正時代に入ると生徒の自主性を養うために生徒にも黒板に
筆記させようという考え方が生まれ、次第に黒板は大型化し、
教室の正面と背面のそれぞれに固定されるようになりました。

現在JIS規格による素材別の黒板の種類は次の4種類です。

木製黒板

mokusei-kokuban
純木製と半木製の2種があります。
半木製というのはスチール・繊維・木材のコンビネーションによる、
それぞれの特性を生かしたもので高級品です。
純木製は柔らかい書き味が特徴で広く使われています。
以前は素材に杉板が使われていましたが、反りや耐久性の
問題から昭和30年には全てベニヤ板に変わっています。

スチール黒板

steel-kokuban

事務所内のデスクやキャビネットがスチール化するにつれて、
その要求の中から生まれた黒板です。初めのうちは表面の
光の反射で左右斜めから書かれた文字などが見えにくいという
欠点がありましたが今では加工技術の向上で改善されました。
またスチールに当たるチョークの音を柔らかくするために、
裏面に板を張るなどの工夫もこらされています。
マグネットが使えるのが特長です。

ホーロー黒板(チョーク用・マーカー用)

鋼板に下引きホーローをかけその上に上引きをし、特殊加工で
表面にざらつきを持たせるよう仕上げたものでチョークや
マーカーのつきや落ちがきわめて良いのが特長です。

プラスチック黒板(チョーク用・マーカー用)

合板、繊維板、鋼板などの地板にプラスチック黒板用表面材を
塗布したものでチョークは勿論マーカー等でも筆記できます。
表面材には硬質・軟質があり、いずれも表面はチョークや
マーカーののりが良くなりました。

日本に持ち込まれた当初の黒板は、石粉とススを漆で練って
地板にヘラ付け、砥石で砥ぎ柿シブで仕上げられた物でした。
昭和40年代に入ると、いよいよスチール黒板が登場します。
マグネットの使用が可能ということで急速に普及しました。
やがて塗料を焼き付けたスチール黒板が開発、それが現在の
主流となっています。一方、耐久性に優れたホーロー黒板も
昭和40年代の初めに登場しました。
それがホワイトボードと結びついていきます。

昭和41年にホワイトボードの第1号が登場しました。
ポリエチレン系の樹脂で表面をコーティングしたもので、
画期的なものでしたが、キズがつきやすい、静電気を帯びて
汚れやすいなどの欠点が指摘され、生産中止となりました。
アイデアが画期的であったがゆえに、研究がすすめられ、
ホーロー鋼鈑を採用、昭和43年に第2号が誕生しました。

ホーローが、黒板やホワイトボードにむいている理由は大きく分けて3つあります。

  1. マーカーのインキが浸み込まず、不浸透であること。これにより、消去が簡単にできる。
  2. 溶剤や薬品に侵されない、化学的に安定した表面を持っていること。
  3. キズのつきにくい、硬い表面を持っていること。

raised handsホワイトボードは、今やオフィスの必需品ともいえるほどに
普及しました。では、教育現場の学校ではどうでしょうか。
実は現在でも教室には昔ながらの黒板が圧倒的に多いんです。
理由はホワイトボードは黒板に比べ光を反射しやすく
生徒の席によっては見にくくなる為です。
ただし学習塾にはホワイトボードが多いそうです。
「ここは学校ではない」と強調する為だそうです。

ちなみに、耐久性について触れておくと、木製黒板は3~5年、スチールが約10年であるのに対して、ホーローは20年以上。
それも、メンテナンスさえよければほぼ半永久と考えられています。

チョークの歴史

fig-02チョークは白墨の原料である「白亜」、俗にいう石灰岩です。
1億4千万年前から6千4百万年前を白亜紀とよんでおり、
白亜は、この頃形成された地層から産出されます。
白亜の主要原産地はイギリスです。
海岸沿いには白亜層が分布しており、ここで産出された白亜が
古くから欧州の建物の白壁の材料として使われていました。
白壁は優雅な風情をもち、貴族の城にも用いられてきました。
欧州の美しい建造物の多くは実は白亜由来だったのです。
このような歴史からイギリスでは白亜で石などに線が引ける
ということがかなり以前から知られていました。
これが年月を経ることで筆記具としての使いやすさを考え、
しだいに簡単な加工が施されるようになりました。
フランスでは、石膏の粉末を焼いて水にとかし、
型にはめて棒状に固めたものが生まれました。これが現在、
チョークと呼ばれているものの元祖と思われます。

日本では明治6年、大阪にチョークがはじめて輸入されました。
そして二年後の明治8年、初の国産チョークが早くも完成。
当時の製法は七輪で石膏を焼き、それを金槌で砕いて
さらに摺鉢で細かくしながら水と混ぜ合わせたのち、
1本1本の錫製の型に流し込んで製造されていました。

fig-03そして明治34年、純国産チョークが誕生しました。
製法は、原料である石膏に細かく砕いた石膏で作られた型屑を
混ぜ合わせ大きな釜で炒ります。
出来あがったものに水を加え、程よく泥状になったところで、
割型に流し込み、数分置いて凝固させて取り出します。
出来たチョークは乾燥棚に並び、自然乾燥させられます。
この割型加工方式の採用で量産化がすすみました。

更に製造方法も改良が加えられ、割型加工方式に対し流込一括
抜取方式というものが発明されました。この製造方式は円筒の
型に流し込んで固めて抜き取る方法で現在にいたる製法です。
現在のチョークをよく見ると根本が細く先端に向かってやや
太くなっていますがこれは抜き取りの為なのです。

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